坂をのぼりきると、ふっと視界が開け、空がひとまわり大きく見える展望台に辿り着きます。
遠くには松山城、手前には道後の町並み。
360°をぐるりと見渡せるこの高台は、昔から人々が「願いを託す場所」だったと考えられています。
というのも、この周辺から、祭祀に使われたと思われる道具が見つかっています。
それが雨乞いだったのか、戦いの前の祈りだったのか、あるいは豊作への感謝だったのか——正確なことはわかりません。
けれど、はるか昔から、人々がここで空を見上げ、何かに思いを託してきたことだけは確かです。
しばらく、空と景色を眺めてみましょう。
目を閉じると、風の強さも木々の影の揺れも、まるでひとつの「空の呼吸」のように感じられてきます。
そして、心のなかでひとつだけ、今日の願いごとを浮かべてみてください。
大きな願いでなくてもかまいません。
「今日、よく眠れますように」
そんな小さな祈りでも、空は静かに受け止めてくれます。
風がそれをやわらかく運んでいく様子を想像することも、ここでしかできない、特別な森林浴のひとつです。