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首里城
小さな島国、琉球王国を知る21の質問
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小さな島国、琉球王国を知る21の質問
どこに立つかで、世界の見え方は変わってくる。
今、あなたがスマートフォンを手にしているなら、ひとつ試してみてほしいことがある。地図アプリで、沖縄島が画面の真ん中になるようにセットし、そこから地図の範囲を拡大してほしいのだ。
まず西に中国、北に韓国、北東に日本、南西に台湾が見えてくる。さらに地図の範囲を拡大していくと、北東に北海道があらわれるよりも先に、南西にフィリピン、ベトナム、タイ、ラオス、ミャンマーが現れる。そして南東にはどこまでも海が広がっている。
これが沖縄という場所に立ったときに見える世界。京都や東京を起点とした世界とは随分と違うことに気がつくだろう。
沖縄はその地理が指し示す通り、日本とは違う独自の歴史を歩んできた。沖縄県として日本の一部となったのも、わずか150年前と新しい。それまでの450年間、ここには「琉球」という王国が存在した。琉球列島の島々を束ね、中国の臣下に入る関係を結び、大国の影響力を利用して東アジア・東南アジア全域に船を走らせる交易国家として栄えた国だ。
琉球王国を象徴する「万国津梁」という言葉がある。
琉球王国は万国の架け橋として栄えるという意味だ。
地図でもわかるように、琉球王国は小さい。それゆえ、武力では中国にも日本にも叶わない。しかし琉球王国は変わりゆく中国・日本情勢に揉まれながらも、外交政策に腐心し、交易を武器にすることで、国家の存続をはかった。また様々な国の文化を取り入れ、独自の琉球文化へと昇華させていったことでも知られ、「沖縄独特」とされる文化や風習は琉球王国時代に生まれ、今日まで残っているものも多い。
そんな琉球王国の政治・宗教・文化の中心となっていたのが、王府があった首里城。このガイドでは、最初に問いかけをしたい。その問いかけを考えることで、琉球王国の性格や、歴史、文化、風習などが見えてくるはずだ。