兄:最後に未来のお話をしたいと思います。
弟:そもそも、どうしてオリーブテラスをつくろうと思ったんだっけ?
兄:うちの父がはじめた小豆島ヘルシーランドという会社はオリーヴの化粧品の会社ですが、その昔、サンオイルからはじまりました。それから宇野千代さんの協力もあって美容オイルを開発するようになり、オリーブの森という化粧品群が生まれていったのですが、オリーヴは身も心も美しくするもの。オリーヴの森全体のチカラによって、いつまでも心も体も健康でいただきたい。そして内面からにじみ出るしなやかさ、美しさを感じていただきたい。それを身をもって体感できる真のヘルシーランドをつくりたいと思ったんです。それで父に相談したとき、びっくりしたんだけど、父がおもむろに昔書かれた手書きの設計図を出してきた。実は父の中にもヘルシーランドをつくる構想があったんですよね。
弟:あれはびっくりしたね。よく「無人島にオリーブを植えたわけじゃないんだ」と言ってたね。
兄:ああ、あれは小豆島を無人島にしてはいけない、そのためにもオリーブを通して経済活動を生み出すことはもちろんだけど、人が集まる場所にしたくて。
弟:もっと単純にいえば、小豆島でみなさんをおもてなししたいと思ったんだよね。この千年オリーブテラスでどんなふうに過ごしてもらいたい?
兄:たとえば、キャビンに泊まって夜、誰もいない千年オリーブを見にいく安心した環境ですっと言葉がでる静かに言葉が出るた翌朝、カーテンを開けたら広がる海の風景に導かれてデッキに出たと思ったら、そのまま海を見に行こうと散歩にでかけたり。時期によっては収穫祭に参加してもらったり。
弟:ぼくはこんな光景を想像してる。子供連れの親子が凪の穏やかな瀬戸内海と太陽を背にして、子供がオリーブの葉っぱを見てオリーブ!って指をさしていて、オリーブだねと家族で愛でていたりして、そうしてオリーブに自然と興味を持ってもらって、よく見たらオリーブの葉っぱって裏側が銀色、シルバーできれいだねって。次の日が雨の日だったりして、するとオリーブ畑がぜんぶシルバーに見えるぐらいなんだけど、それは雨になると裏側をみせて水はけがよくするから。オリーブはただ生えているんじゃなくて柔軟性しなやかさをもって生きているんだなぁ、なんて、オリーブの知恵に学ぶ。そうして、千年も生き続けてきたオリーブのパワフルさに気づいたりしてもらえたらうれしいなぁ。
兄:いいね。そうやってこの場所にみなさんとつながって、みなさんと関わりながらみなさんが立ち戻る場所にしたい。コミュニティスペースだとしたらさらにコアなスペース。ここに帰ってきたくなる、会いたいと思ってもらえるように。オリーブみたらふと思い出して小豆島にいこうと思う。とくにヘルスケア。初心に還るというか、自然治癒力を高める、エネルギーチャージしたわ、じゃなくて徐々にインストールしていくような。一時的じゃなくて定期的に。
弟:瀬戸内海の海の風景とセットで思い出してもらいたいね。酒は味じゃなくて物語を飲んでいると思うんだけど、オリーブもそう。風景とか向こう側にあるイメージや物語を味わっていると思うんだよね。瀬戸内の多島美、おだやかで、島を包んでくれるような。肌が乾くとオリーブを思い出すとか。
いろんなことをお話ししましたが、ぜひ、美と癒しをもたらしてくれる千年オリーブと瀬戸内海がある風景を持ち帰ってほしいと思います。千年オリーブテラスにはキャビンでの宿泊や、癒やしのオリーブサロン、サウナを建築する計画もあって、まだまだ成長していく予定です。
兄:千年オリーヴの木の下で出会った私たちの輪がつながり、みなさんとこの森を一緒に広げてくれるファミリーとなれることを願っています。