みなさまの手元にある水は富士山の水です。富士山は日本一の高さを持ち、冬はもちろん真夏でも山頂に雪が見られることがあります。その雪解け水が長い年月をかけて地下に浸透していき、地下水となります。そのとき、富士山の地層という自然のフィルターを通過するわけですが、富士山は標高が高いぶん、フィルターとなる地層が何層にも重なってぶ厚い。また、高さがあることから水の流れも早くなり、水中の不純物をより取り除くことができるといわれています。何より、天然水のうまみの源であるバナジウムは日本の天然水の中でも富士山の水でしか得られません。富士山を構成している地層を通ることでバナジウムの天然水がつくられるのです。

富士山のミネラルウォーターにはいろいろな種類がありますが、この水は富士の麓、標高約1000mで採水された弱アルカリ性の軟水です。口あたりがまろやかで、4大ミネラルが含まれたナチュラルミネラルウォーターは、日本人に好まれやすい水質であり、冷やさなくてもおいしく飲めると言われています。それも、およそ90年前に誕生した日本初のミネラルウォーターであり、日本で初めて開催された「東京サミット会議」や「伊勢志摩サミット」、最近では2023年の「G7広島サミット」でも採用されました。

また、機内では富士山の湧き水で作ったクラフトビールもご用意しています。ビールの美味しさは水で決まると言われ、Mt.Fuji Brewingが手がけるクラフトビールは長い時間を掛けてこんこんと大地に湧き出る富士山の湧き水を使い、その湧き水のように時間と手間をかけることでスッキリとした味わいを実現しています。醸造所は富士山の麓、富士宮市。富士信仰の中心地として名高い富士山本宮浅間大社のそばにあります。富士山にちなんださまざまな銘柄があるので、ぜひ自分好みの味わいを探す旅もお楽しみください。

富士山の水といえば、近年では、富士山の天然水を使った織物にも注目が集まっています。というのも、富士の湧水はミネラルが多いため糸の発色をきれいにしたり、塩素の含有量が少ないため繊細な色合いが表現できるともいわれます。こうした自然の恵みを背景にして古くから織物が盛んでした。スカイトレックでは富士山の麓でハタオリを営むテンジンファクトリーによるハンドタオルをみなさまの手元に備えてあります。スカイトレック限定の特注品ですので、富士山の思い出とともにぜひお持ち帰りください。

そして、もうひとつ。皆さんには富士山の香りも味わっていただきたいと思います。手元にあるエッセンシャルオイルは富士山の麓の森で自然の循環に沿って収穫した樹木から抽出しています。そして、富士山の水を使って蒸留しています。富士山という土地の生態系が織りなすピュアな香りをご体感ください。富士山の香りに導かれ、空から想像する大地の風景。みなさんの目にはどんな光景が立ち昇るでしょうか。


※織物に興味を持っていただけた方は、次のガイドもご覧ください。
ハタオリマチ・富士吉田
忘れられた産地に よみがえる生き“甲斐”
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