日本で最も深いともいわれる火口湖

2011年、霧島連山の一つである新燃岳(しんもえだけ)で噴火が起こった。日本で21世紀に起こった噴火の中では3番目に大きな規模の噴火(※2023年時点)であり、火山の恐ろしさを改めて実感するものだったと地元の住民は語る。

しかし、かつてこの御池ができた際の噴火の規模は、なんとその30~50倍だったという。約4600年前の大噴火により、その火口が湖となって誕生した御池。日本で最も深いともいわれる火口湖であり、水深は約100mである。想像することさえ難しいほどの火山活動が、この雄大な湖をもたらしたのだった。

瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)の子孫とされる初代・神武天皇(じんむてんのう)は、この地で育ったと伝わる。御池の湖畔は「皇子港(おうじこう)」という。神武天皇が子どもの頃この水辺で遊んでいたことが、その名の由来だとされている。

現在もボートや釣りに加え、最近ではSUPという新しい水上レジャーもできるようになり、人々の憩いの場になっている。背景にそびえるのは高千穂峰。山の上からは、豊かな緑に囲まれた御池が見下ろせる。視点を変えて、その巨大な湖の成り立ちや、そこで楽しむ人たちを想像してみてほしい。



写真1枚目:御池皇子港からの景色
写真2枚目:霧島東神社から御池を望む

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