モノレールから視線を右へ移すと、目に入るのが天柱山歓昌院だ。旧東海道が整備される以前、人々はこの天柱山を越えて往来をしていた。
この寺は曹洞宗として鎌倉時代に開かれた。本堂の横には閻魔大王が安置されている。
本堂まで伸びる道の脇に目を向けてほしい。そこには、小さな像がぎっしりと立ち並んでいる。
これは羅漢という悟りをひらいた高僧たちの像だ。「羅漢」という称号は、釈迦の弟子の中でも最も位の高い者に与えられる。ここには、56体の異なる表情の羅漢像が祀られている。
手を挙げた羅漢像、耳をほじる羅漢蔵…。どの羅漢像もとても個性的だ。あなたは、どの羅漢像がお気に入りだろうか。
今では東西を結ぶ交通の要所としては「東海道」が広く知られているが、それよりももっと前の時代、多くの人々はまさにこの「古代東海道」をさまざまな思いを胸に行き交っていた。
この泉ヶ谷の地に残る当時の面影に、あなたは何を思っただろうか。
匠宿からの帰り道、世界の見え方が少しだけでも変わっていることを願っている。
※このガイドは、取材や資料に基づいて作っていますが、ぼくたち ON THE TRIP の解釈も含まれています。専門家により諸説が異なる場合がありますが、真実は自らの旅で発見してください。