「大」という文字は「人の形」を表していると言います。人を送る、送り火をまさに体現しているのかもしれません。
京都の街から見る送り火は、静かに始まり、静かに終わっていきます。しかし、それぞれの山の麓では別の時間が流れています。1ヶ月前には地域の人たちが集まり、山の草刈りをするなどの下準備がはじまり、当日はお寺に集まり、お経をあげて、合図とともに火がつけられます。大文字においては、真ん中の一点から、それぞれの先端に広がっていくように灯していきます。

どうして、火でなければならないのでしょう。火を焚くとその煙は天に昇っていきます。そうすることで極楽浄土にいる仏様に送り届けると言われます。あなたも、あらかじめ「護摩木」と呼ばれる木の札に願い事を書いて奉納すれば、送り火の際に一緒に燃やして送り届けてもらうことができます。

この大文字の山は登山もできるので、その舞台裏とも言うべき火床を見に行ってみてはいかがでしょうか。

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