池田のまちを見渡せる、池田城跡公園へ向かって欲しい。まちを見渡せるこの場所で、これまで紹介したことはじめのストーリーを振り返ってみよう。
安藤百福、呉服座、田村駒治郎、そして小林一三。長い歴史の中で、この地はさまざまなことはじめの先人を排出してきた。池田は「ことはじめの聖地」といえるかもしれない。
しかし先人たちが最初から順風満帆だったわけではない。ことはじめには大きな苦労がつきものだ。安藤百福は財産を失い、裸一貫でチキンラーメンの開発にあたった。一三も創業時には資金集めに苦労し、自ら借金を背負うこともあった。どちらも成功の兆しが見えてきたのは40代の頃。
挫折しても決して諦めない心が、ことはじめにとって必要なことなのかもしれない。何度失敗してもことはじめはできる。諦めずに温めたアイデアが時代に合致したとき世に出て、世に残るものになる。それこそがことじめの聖地、池田で学ぶべきことなのかもしれない。
※このガイドは、取材や資料に基づいて作っていますが、ぼくたち ON THE TRIP の解釈も含まれています。専門家により諸説が異なる場合がありますが、真実は自らの旅で発見してください。
ON THE TRIP 編集部
文章:三上 由香利
写真:本間寛
声:五十嵐優樹