台北から花蓮までは
鉄道なら、プユマ号や、タロコ号で、2時間程度。
この一杯のために何度も訪れる人がいるほど
花蓮のワンタンは格別なのだ。
見てほしい、この、器に泳ぐ金魚のように美しい姿を。
手作り麺の技術からきている、
薄くて弾力のある皮は、
崩れたり、やぶれたりせず、
ツルリと口へ入ってくる。
やがて皮がほどけると、
中からは、旨みがぎゅっと詰まった豚ひき肉。
その肉汁とスープがあいまって、
もうそれは、
うまみで顔がほころぶほど。
フーフーと火傷に気をつけながら、
優しい味わいのワンタンを
次から次へと口に運ぶ。
もう夢中で、会話も忘れてしまうほど。
途中から、胡椒や醤油、酢、香油、唐辛子など
刺激を好きに足してもいい。
あぁ、シンプルなのに ここまでおいしいなんて、
ワンタン、なんて奥深い。
「すみません、もう1杯、おかわりください!」