小豆島は、瀬戸内海の島々のなかで、淡路島に次ぐ大きさを誇ります。
面積は沖縄の宮古島、世界ではイースター島とほぼ同じ。
人口はおよそ2万5千人。離島でありながら多くの人が暮らし、交通や文化の要として古くから大きな役割を担ってきました。
いま目の前に広がる先端部分は「前島」と呼ばれる小さな島で、本島とのあいだには「土渕海峡」という細い水路が走っています。
幅わずか9.93m──ギネス記録にも認定された「世界一狭い海峡」です。
けれど、一般的にはこの前島を含めて「小豆島」と呼ばれています。
小豆島を代表する風景といえば、日本三大渓谷美のひとつ「寒霞渓」。
1300万年前の火山活動で生まれた岩肌を、雨と風が削り、断崖と奇岩を刻んだ渓谷です。
秋には紅葉が山を染め、ロープウェイからは海と山を一望できる絶景が広がります。
そのほかにも、干潮時に海の中の小島へ歩いて渡れる「エンジェルロード」、映画のロケ地として知られる「二十四の瞳映画村」、四国八十八ヶ所を模した「小豆島88ヶ所霊場」など、訪ねるべき場所が数多く点在しています。
さらにこの島は「オリーブの島」としても有名です。
明治時代、日本で初めてオリーブの栽培に成功したのが小豆島でした。
いまでは白い風車が立つオリーブ公園や、島を彩るオリーブ畑が旅人を迎えます。
また、「醤の郷」と呼ばれる一帯には古い醤油蔵が並び、今も木桶での仕込みが続けられています。
香ばしい香りが漂う町並みを歩けば、瀬戸内の食文化がここから広がっていったことを実感できるでしょう。
さらに名物の手延べ素麺も忘れてはなりません。
職人が細く長く延ばした麺は、清らかな水と気候が育んだ島の味覚。
醤油やオリーブと並び、小豆島の暮らしを語る象徴です。
ここは、瀬戸内の海を渡る旅人を昔から迎えてきた島の玄関口。
オリーブの木々とともに、小豆島の自然、歴史、そして人々の営みがあなたを出迎えてくれるでしょう。