神泉という地名。
なぜ、そんな名前がついているのでしょうか。
渋谷は、もともと谷の地形です。
その谷には、いくつもの湧き水がありました。
このあたりにも、
古くから知られた泉があったといわれています。
人々はその水を、
霊験のある「神の泉」と考えました。
それが、「神泉」という地名の由来です。
江戸時代になると、
大山へ参拝する旅人たちが、
このあたりを通るようになります。
旅人をもてなすため、
やがてこの周辺には花街が生まれました。
円山の花街です。
明治になると鉄道が通り、
さらに近くに代々木の練兵場ができると、
この街はますます賑わうようになります。
祭りの日には、
芸者たちの神輿が練り歩いたともいわれています。
いま、この場所に残るのは、
泉の記憶を伝える石碑と、
再び店を構えた料亭「三長」。
この通りは「三業通り」と呼ばれています。
三業とは、
芸者置屋、料亭、待合。
花街を支えていた三つの仕事のことです。
花街そのものは、
戦後、姿を消しました。
しかし、
ラブホテルが並ぶ円山町にもまた、
この街のもうひとつのストリート文化が残っています。
渋谷という谷のまわりには、
まだまだ知られざるストリートが続いているのです。
※このガイドは、取材や資料に基づいて作成していますが、ON THE TRIP の解釈も含まれています。諸説ある部分もありますが、真実は、あなた自身の体験の中で見つけてください。
ON THE TRIP 編集部
声:奈良音花