もうすぐ夜が明けます。
この山小屋を出るころ、外はまだ暗いはずです。

冷たい空気の中を歩き、小さな明かりを頼りに山頂へ向かう。
多くの人が同じ道を歩きます。

江戸時代、富士山に登った巡礼者たちもまったく同じことをしていました。
夜の闇の中を歩き、夜明けの瞬間に山頂へたどり着く。
そして東の空から光が現れるのを待つ。

それが「御来迎を迎える旅」でした。

山頂では、まず東の空がわずかに青くなり始めます。
やがて地平線の向こうから、光がゆっくりと姿を現します。

闇の中を歩き、山頂にたどり着き、光を迎える。
それは「生まれ変わり」の体験だと考えられていました。

そして今、あなたもまた同じ道を歩こうとしています。
夜の山を登り、山頂で朝を迎える。

千年のあいだ、多くの人が同じ光を待ちました。
もうすぐ東の空が明るくなり、太陽が姿を現します。

その瞬間、あなたはきっと思い出すでしょう。
富士山の朝日は、ただの朝日ではない。
それは「千年続く祈りの光」なのだと。

さあ、そろそろ出発の時間です。
夜を越えて、光に会いに行きましょう。

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