表参道と呼ばれる道は、真っ直ぐの道であることが多い。が、こと成田山新勝寺の表参道に限っては、曲がりくねった道をゆき、起伏のある坂道を下った先に「総門」があらわれる。しかも、この場所からは目指すべき大本堂は、まだ見えない。いくつかの門をくぐり、長い階段を登りきった先に、ようやく姿をあらわすのだ。

さて、総門を正面から見上げてみてほしい。蟇股(かえるまた)と呼ばれる部分に「十二支」の彫刻がある。鼠、牛、虎、兔、竜、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪。あわせて12種類の動物が模様として彫られている。すべての日本人は、その生年月日によって12のうちの1つの動物があてがわれていて、とても身近な存在である。

これまで歩いてきた表参道にも、12種類の動物とその守護神の名前が記された石像があり、あなたをエスコートしてくれていたことに気づいただろうか。実は、総門の2階部分には部屋があり、それぞれの動物にまつわる守護神の像が祀られている。

つまり、総門は、すべての人を迎え入れ、どんな人でも守ってくれる。その門を通り抜けるだけで、無意識のうちにご加護を受けていることになるのかもしれない。だからこそ、あなたも神聖な気持ちで入ってほしい。「コラム2」では、お参りの作法や注意事項について簡単に紹介したいと思う。

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