観光客が押し寄せる初詣とは一味違い、熱心にお参りする京都人で賑わうのが「十日えびす」。1月10日にこの神社で行われるお祭りである。おもに商売繁盛を願うもので、京都ならではの光景として舞妓さんや芸妓さんも多く訪れる。

恵比寿様とは七福神の一人であり、釣り竿と鯛を手に「恵比寿顔」と呼ばれる笑顔を浮かべている。はるか遠くの海からやってきて人々を幸せにするといわれ、「大漁」と言わんばかりのその姿はまさに商売繁盛の神様。実は、七福神のほかの神様はインドや中国の神様であり、恵比寿様だけが日本の神様。そのことからも日本ではとくに慕われている神様といえよう。

この神社を左奥へ抜けていこう。裏口となる出口には「たたき板」がある。恵比寿様は耳が遠いので、この板を優しくノックすることで「お参りに来ましたよ」と知らせておくのである。

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