敵対する勝連グスクと向かいあう裏門。だからこそ、護佐丸は堅牢に仕立て上げた。

まず、技術的に完成されたアーチ門。普通なら櫓(やぐら)や平たい石をのせるところを、アーチ型にしている。アーチは力学的に上からの圧力が強くなるほど安定する。ただアーチ型にすればいいわけではなく、それを強固にするためには両サイドの石を頑丈にするなど緻密な計算が必要である。護佐丸はそれをやってのけたのだ。

また、門の手前には階段がある。裏門を突破するには門戸を破らなくてはならないが、そのために大きな丸太の木で鐘をつくようにして突き破るのがセオリーだった。しかし、階段があると、丸太を真正面からぶつけることができない。助走してぶつけることもできなければ、馬にくくりつけて突撃させることもできないのだ。

しかし、このような工夫は裏門だけ。首里と向かいあう正門でそれをするということは、首里から攻められることを想定していることになるからだ。あらためて、正門と比べてみてほしい。

Next Contents

Select language