「桂浜の五色石」を知っているだろうか?

「五色石(ごしきいし)」とは、読んで字のごとく五色の石のこと。しかし、この河原にある石は五色どころではない。そして、そのことが「仁淀ブルー」の秘密に関係している。では、仁淀川の石はなぜカラフルなのか? あなたも考えてみてほしい。

実は、高知県の地質帯は大きく3つにわかれている↓

仁淀川は3つの地質帯を貫いている。つまり、3種類のまったく異なる地質を削りながら流れ落ちている。だから、これほど色々な種類の石が混ざりあう=カラフルなのだ。ちなみに、仁淀川の石は最終的に海へと流れ込んでいくが、波によって再び浜にうちあげられることがある。それが「桂浜の五色石」となっている。

では、仁淀川の下流に行くほどたくさんの種類の石が拾えるかといえば、そうでもない。やわらかい石などは下流に行き着くまでに粉々になって姿を消してしまうからだ。だとすれば、最も多くの種類がそろうのは、どの地点なのか。とあるコーチは教えてくれた。「日ノ瀬」はそのひとつかもしれないと。

あなたもこの場所で石を拾ってみてほしい。そして、その石は一体どこから来たのか。仁淀川をさかのぼって確かめてみてほしい。これは、ただの石拾いではない。石の源流を探し当てるトレジャーハンティングだ。

1|色々な石を拾ってみよう

色が混ざりあっていたり、かわった模様の石もあるだろう。たくさんの石を拾ってみよう。

2|仁淀川の水で濡らしてみよう

あなたはきっと驚くはず。カラフルな色がぐっと濃くなり、キラキラと輝き出すのだから。

3|色別にわけてみよう

赤、黄、緑、白、黒。同じ色でもいろんな種類の石があることに気づくかもしれない。

4|好きな石をひとつ、選んでみよう

その仁淀川の石はどこから来たのだろう? 想像してみよう。

5|実際に確かめにいこう

地図を目安に、その石の“生みの親”を探しにいこう。

たとえば、「緑色片岩」を追いかけて土居川の上流にある「安居渓谷」に行ってみる。すると、巨大な緑の岩がゴロゴロと転がっている。あるいは、「赤色チャート」を追いかけて中津川の上流にある「中津渓谷」に行ってみる。すると、巨大な赤色の岩がゴロゴロと転がっている。このように、仁淀川で拾った石には必ず故郷がある。生みの親の“お母さん”というべき巨岩に会えるのだ。

あなたが拾った石がどこから来たのか。それを確かめるには、佐川町にある「佐川地質館」に石を持っていって聞いてみるといいだろう。

さて、四万十川や吉野川もきれいな川であるが、仁淀川のように3つの地層を均等に貫いているわけではないので、拾える石の種類が限られてくるそうだ。その意味でもカラフルな石は仁淀川のアイデンティティそのもの。集めた石を水で濡らしてみると、キラキラと輝く粒子を含んだマーブル模様の石があると思う。その石はおそらく「チャート」である。

チャートには、太古の時代に存在していた「放散虫」というプランクトンの化石が含まれている。正確にはそれらが海の底に堆積して押し固められたものがチャートとなる。つまり、キラキラと輝いている粒子はかつての生命の証なのだ。

石拾いのコーチは教えてくれた。「宝石のようなこれらの石こそが仁淀川のほこるべき財産である」と。仁淀ブルーが青く輝いて見えるのは、カラフルな石たちが川底に敷き詰められているから。そして、チャートに含まれる粒子が輝いているからかもしれない。

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