大人のだめをどんどんやりましょう。ダメなことほどやりたいこと。大人のだめをどんどんとことんやりましょう。それが楽しい夏休みを過ごすための基本です。
これは、とあるゲームの説明書にある言葉。
夏のアカイセはまさに絶景であるはずだ。アカイセは高さ2mの飛び込みの名所。今はもう失われたと思っていたはずの、地元の子どもたちが川遊びをする風景が見られるのだから。地元のおじさんおばさんたちは「昔は1日に3回泳いでいた」と子ども時代を振り返る。太陽が昇ったら川で泳ぎ、おなかが空いたら昼ごはんを食べに帰る。そしてまた川に戻ってまた泳ぐ。さらにおやつ休憩を挟んでまた泳ぐ。
「毎日泳いでどうして飽きないのか?」と聞こうとして、自分が子どもだったころを思い出した。
なにをするわけではない。楽しいから飛び込む。気持ちいいから泳ぐ。そこに、友だちに会えるという喜びも加わるだろうか。子どもが遊ぶのにそれ以上の理由なんていらなかった。
ある人ははじめて飛び込んだ日をこう振り返る。「おにいちゃんとおねぇちゃんに負けたくなかったんです。」またある人はいう。「頭から飛び込むのを“男飛び”、足から飛び込むのを“女飛び”と言ってね、男飛びができないと恥ずかしかった」またある人はいう。「中学生になっても泳いでましたよ。思春期の女の子としてはこういうみんなに見られるような場所は恥ずかしいから、ひとつ裏手にある河原に移動してね、なんかそういうステップアップがあった」
ほかにも「太陽がのぼると家からダッシュで走ってそのまま飛び込んだ」とか「友だちと手をつないで叫びながら飛びこむみたいな遊びをよくしたなぁ」とか、生き生きとした思い出は聞くだけでも色あせない。
近頃はテレビゲームなどの娯楽が増えたこともあって川で遊ぶ子も減ったというが、それは子ども自体の数が減っただけなのではないだろうか? アンパンマンが何年経っても親しまれているように、仁淀川の楽しさにはどんな時代の子どもたちも逆らえないはずだ。