高知で現存する最も古い沈下橋。たくさんの沈下橋を見てきたあと、旅の最後に久喜橋を見たときには得も言われぬ感動に包まれた。その佇まいがあまりに美しく見えたのだ。自然に逆らうことなく、橋脚すら岩を取り込んで作られているその姿は、仁淀川とともに生きてきた人々の存在感とスケールが一致しているようにも思える。現在は、意外な道を進んだ先にこっそり佇む橋であるが、この橋をつくる必要性があった時代の息吹が感じられるようでもあった。

1ヶ月間、仁淀川を旅をして、いちばん好きな場所は? と聞かれたら「久喜橋」と答えると思うのだが、その感動はまだうまく言葉にできない。しかし、この橋に感動できる自分が少し誇らしくもあるようで、あなたにも感想を聞いてみたいと思うのだった。

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