最後に、方丈障壁画の西の間にある「花鳥図」の説明をしたいと思います。
先ほども伝えましたが、この襖絵にはキリシタンのシンボルが3つ、密かに描かれていると言われています。手前左側に百合の花が見えますか?この襖は春夏秋冬をそれぞれの襖ごとに表しており、百合の花が位置するのは春の位置。しかし、百合は秋の花です。牡丹が咲く前のこの春の時期に行われるのはキリストの復活祭、イースター。そして百合というのは清純で純粋な象徴として度々使われる花でもあります。あえて、キリストに関連する百合の花がここに描かれているのには意味があるのかもしれません。

また、夏を意味する位置には青い鳥が3羽飛んでいます。この3羽は、父(神)と子(イエス)、聖霊のことを意味し、それらは本質において一つであることを示す三位一体を表すとされています。この3羽の鳥がとるフォーメーションは、よくキリスト教の宗教画で天使や白い鳩がとっているフォーメーションになります。

そして右側の冬を表す場所には、薔薇の花が描かれています。薔薇はキリスト教では神さまを表します。この薔薇の花は5本ありますが、キリストが磔で受けた聖跡は5つ。そしてこの薔薇は岩の上に描かれており、まさにキリストが磔にあった場所も岩の上なのです。

と、こういった見方で襖を見るとキリストに関連するのではないかと学者の方は言っています。
あなたはどう思いますか?

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