Daikanyama T-SITE

ぼくがこのエリアを好きになった一番の理由が、この蔦屋だ。代官山駅から徒歩5分歩くと、白くて大きなボックスのような3つの建物が現れる。ここは本屋だが、本を売っているだけじゃない。ライフスタイルが展示してある。

この場所のコンセプトは、「かつて若者だった、すべての大人たちに、ライフスタイルを提案する場を作ること」。日本の人口、とくに若い人たちが減っている中で、上の世代の人たちがワクワクする場所を提供したかったのだとか。いたるところに大人の雰囲気が漂っているが、その中に遊び心も忘れていない。

1990年、日本ではバブルが崩壊し、物の価値とは一体何なのかを多くの人が問うきっかけになった。その中で、“Satisfaction through the process”。つまり、モノを所有することよりも、モノができるまで、そしてそれを選ぶまでのプロセスに重きを置いていく価値観が生まれた。

一階には、スターバックス、二階にはオシャレなカフェAnjinがある。Anjinには、立ち上げ当初の日本の伝説的な雑誌、POP EYEのバックナンバーも置いてある。センスのいい雑誌を手にとって、自分の暮らし方、生き方を考えてみてもいいかもしれない。カフェには雑誌を持ってきて読むこともできるから、考えるのに打ってつけだ。2Fには、音楽や映画を楽しめる場所もあり、さまざまな側面から趣味や暮らしを考えられる。建物を2Fにしたのも理由がある。空がよく見えるようにという思いから、高い建物にはしなかったのだとか。

ちなみに、3棟ある建物の内、真ん中の建物だけ大通りではなく裏通りに出ていける道がある。その道には看板などをなくし、緑が多いシンプルな通りにしたのだとか。これは、神社の参道をイメージして作られたそうで、余計な情報をいれずに、一人想像してほしいために作られた道。ガーデンストリートと名付けられている。もしよければ、蔦屋を出る時はその道から出ることをお薦めしたい。

そして道を歩きながら、考えを巡らしてほしい。あなたの趣味に合うものは合っただろうか。または新しく出会うことができただろうか、と。

店名: 代官山 T-SITE
住所: 東京都渋谷区猿楽町16−15
連絡先:03-3770-7555
営業時間:7:00am~2:00am

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