目の前にある鐘は本物の鐘。とはいえ、昔の琉球王国時代を体験するならぜひとも首里城公園を訪れてみてほしい。2019年10月、火災に見舞われたが、現在復興が進められている。
首里城は、交易によって栄えた琉球王国の発展にともなって何度も増築されてきた城である。その性格は王宮としての役割を保ちつつ、まさに万国津梁、つまり万国の架け橋となる象徴のような存在だった。鐘は神社やお寺に置かれることが多いが、この鐘は琉球王国の行政機関の役割も担っていた首里城の正殿に置かれていたと考えられている。頻繁に打ち鳴らされた形跡が見られないため、国王の権威を象徴するような大切なときに鳴らす鐘だったのかもしれない。
ぜひ、あなたも首里城下の景色から遠くに広がる海を眺め、海洋国家として繁栄した琉球王国に思いを馳せてみてほしい。