さて、オーディオガイドとともにまわった禅の体験はいかがでしたか?
神勝寺の中には、舟の形をモチーフにした建物もありましたが、それはなぜか。実は神勝寺の由来にかかわっています。

神勝寺は1965年に海運・造船業を営む会社が作ったお寺なのです。運航途中の海難事故や不慮の事故により、なくなった社員の方を慰霊するために作られたお寺です。 建仁寺の住職とご縁があり、この土地に建仁寺の宗派である臨済宗のお寺を建立しました。
江戸時代のはじめに、元々は武家社会のあるひと握りの人だけのものだった禅を、一般の人に布教していった白隠禅師の行動に共感し、それゆえ、本堂に白隠禅師のギャラリーも設営してあるのです。

そして、だからこそ、国際禅道場がこのお寺にあるのです。国籍問わず、あらゆるところから修行僧を受け入れることで、日本からあらゆるところへ禅の教えを広める。まずは体験することで禅に興味を持ってもらいたい。そもそも禅とは体験こそがすべてなのですから。

そんな思いでできたこの場所は、禅をはじめてみるにはぴったりの場所なのです。
どうかこのガイドを通じて体験した禅という習慣を、お土産にして欲しいと思います。
ガイドの中で紹介した坐禅プログラムや、養生の禅など、自宅でも体験できるのでご活用ください。さらにInTripというアプリでは、日常の暮らしからビジネスに活きる禅の技術を紹介しているので、興味のある人はダウンロードしてください。

習うより体験することを大切にしている禅。
まずは今、ここから、やることにこそ意味があるのです。



10分間ゆったりと坐禅をする。お風呂に入るときはお風呂に入ることへ、食事をするときはそのことへ意識を向ける。お茶を飲みながらゆったりと1日を振り返る。この禅と庭のミュージアムで体験したこれらの禅体験を、お土産として自身の生活へとインストールすることができたら。毎日と言わずとも、ふとしたときに意識することができたら。
日常の些細な違いに気づき、無意識だったことを自覚化し感謝できるかもしれません。その小さな気づきの積み重ねが、あなたを思いがけないところに連れていってくれるはずです。

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