ナマハゲ御膳には欠かせないハタハタ料理を始め、男鹿半島には独特な食文化がある。ナマハゲを生んだ半島の文化を味覚からも感じてみよう。
食|石焼き料理
熱した石を桶に投入して調理する豪快な料理。かつて男鹿の漁師たちは、捕った魚や海藻をネギなどの野菜と一緒に水を張った桶に入れ、そこに真っ赤に熱した石を放り込んで一気に煮込み、味噌を加えたものを昼食としていた。まるでナマハゲのように荒々しい、迫力満点の料理である。
食|ハタハタ寿司
ハタハタを長時間熟成させた保存食で飯寿司(いずし)の一種。米と、ニンジンやショウガなどの野菜と共に漬け込んで発酵させる。お正月などハレの日には欠かせない郷土料理。
食|とろとろわかめ
ワカメを塩もみした後、湯通しすると粘りが出て「とろとろわかめ」となる。酢醤油で食べるのが一般的。味噌汁の具とすることも。
食|ババヘラアイス
売り子のお母さん……つまり「ババ」が、ヘラで盛り付けるから「ババヘラ」と呼ばれるようになったようだ。完成した姿は、まるでバラの花のよう。
食|男鹿しょっつる焼きそば
「塩魚汁」と書いて「しょっつる」と読む。魚を塩漬けにして発酵させたもので、日本三大魚醬のひとつ。もともとは、年中通して捕れるイワシやサンマなどから作られていたが、秋田ならではの魚であるハタハタを原料として売り出すようになった。
古代ローマにも「ガルム」と呼ばれた魚醬があった。現代に復活したガルムは、イタリアでパスタなどの調味料として使われている。しょっつるは冬の鍋料理に使われるのが一般的だったが、イタリアのパスタのように一年中楽しめる料理として「男鹿しょっつる焼きそば」が誕生した。