与謝野晶子ら文人が泊まりに来ていた老舗旅館「天成園」の敷地内にある滝。
明治24年に東京の実業家がこの滝の周辺を「滝の前庭園」として整備したことで、温泉客でにぎわうようになった。
箱根温泉の成り立ちを知る歴史散策は、ここでゴール。奈良時代に発見された湯本の源泉から、観光地として急速に近代化した明治までの箱根の歴史を駆け足で見てきた。しかし、ここで紹介した箱根の温泉の成り立ちは、まだごく一部。
江戸時代、箱根七湯と呼ばれた各温泉場は、それぞれ効能も異なれば、その歴史や周辺の見どころも異なる。湯治に来る人は「三廻り(みめぐり)」といって、約3週間、病気に適した温泉場に滞在して治療にあたるのが一般的だったが、やがてそれぞれ魅力の異なる各温泉場をめぐって楽しむ「七湯廻り」も行われるようになった。
箱根の温泉の歴史に興味を持った方は、ぜひ、江戸時代の「七湯廻り」のように、ゆっくりと温泉を巡りながら、それぞれの歴史探検を楽しんでみるのもいいだろう。