休憩するのにもってこいのスペースがある。金時山の山頂が混みあっていることが多いため、ここでお弁当を食べる人も少なくない。

ここから金時山に向かう道も、植物の見どころだ。森の女王様とも称されるヒメシャラという木は、箱根が北限と言われる。木肌が露出しているので、触ると冷たい。夏場の暑い時期に触ると、気持ちいいそうだ。

箱根は木の種類も多く、さまざまな色や形をしていることから、寄木細工が生まれた。

箱根の山にはブナも生えている。ブナは1本の木で約40万トンの水をためる能力があり、母なる木、緑のダムともいわれる。ブナの林を風が通り抜ける時に、「ぶーん」という音がすることから、「ブーンと鳴る木」、そこからブナの木という名前になったという説がある。

山のなかで風が吹いた時に耳を澄ましてみるといいかもしれない。

しばらくすると、金時山へのラストスパートで急な岩場が始まる。

「まさかりかついで きんたろう くまにまたがり おうまのけいこ~」という童謡で知られる金太郎の物語を、ご存じだろうか?

山姥(やまんば)から生まれた金太郎は山奥で暮らし、動物たちと遊びながら成長した。幼い時から力持ちだった金太郎が大きくなると、山姥からもらったマサカリで薪割を手伝った。

動物たちと栗拾いに行った時、崖にかかっていた橋がなくなっていた。それを見た金太郎は、近くにあった大木を押し倒し、橋をかけた。

橋を渡った先には栗の木があり、栗を拾っていると大きなクマが出てきた。金太郎は恐れることなく相撲のようにがっぷり組み合い、クマを倒した。降参したクマは、ほかの動物たちとともに金太郎の友達になったというストーリーだ。

この童話を思い出しながら、金太郎が毎日遊んでいたという金時山に登ろう。

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