江戸幕府が芦ノ湖畔の現在地に箱根関所を設置したのは、1619年のこと。幕府が全国に設置した53にのぼる関所の中でも規模が大きく、たいへん重要視された関所で、旅人を厳しく取り締まった。

2007年、江戸時代末期に大規模な改修工事を行った際の詳細な史料を基に当時の関所を完全に復元。関所を通る旅人たちに厳しい改めを行った大番所や、関所破りの極悪人を拘留した獄屋の様子も見ることができる。

弥次さんと喜多さんの二人組が江戸から東海道を歩いて伊勢神宮を目指す珍道中を描いた江戸時代のベストセラー『東海道中膝栗毛』では、箱根関所を無事に越えることができた弥次さん、喜多さんが宿で祝杯をあげる。

「春風の 手形をあけて 君が代の  戸ざさぬ関を こゆるめでたさ」

渋墨塗りで黒く塗られた威圧感のある門構えを見ると、祝杯をあげたくなる気持ちがわかる。江戸時代にここを通った人たちのなかで、どれだけの人が箱根の関所を越えるために必死に神頼みをしたのだろうか。

……箱根駅伝ミュージアムまで500メートル。関所を通過したら、国道1号まで出て右折する。もう間もなくゴール地点の箱根駅伝ミュージアム。街中で歩行者が多いので歩道をゆっくり走るように。あともう一息!

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