このホテルでもっとも“小さな”この部屋は、アートミュージアムであり、あなたの感覚を研究するラボでもある。クリエイター集団・Konel(コネル)は、この小さな部屋の中で、とても小さなミクロの世界に潜む深遠な世界と向き合って過ごす時間をつくり上げた。

壁にある2つ丸型のスイッチは、あなたをミクロな世界に導くための装置。スイッチを入れたら、ベッドの上に寝転び、天井を見上げてほしい。研究室を想起させる部屋の天井には、一枚の絵画、モニター、そして独自に開発したマイクロスコープが設置されている。

スイッチが入ると、マイクロスコープが描かれた絵の表面を移動し始める。次々とモニターに映し出されるのは、絵の上にモザイク状に並べられたマテリアルを拡大した映像だ。これらはたくさんの素材を溶かしたり、削ったり、散りばめるなどしてつくられた。

マテリアルの背景には、後ろを向く女性が描かれている。美しくもあり、妖しくもある女性の姿は、見たものに様々な感情を想起させる。その感情は、普段では覗き見ることの叶わない、ミクロの世界を覗き込んだときの感情と似ているのかもしれない。沸き起こる自分の感情と向き合いながら、このミクロな世界を十分に堪能してほしい。

つづいて、部屋の奥に設置されたデスクに座ってみよう。ここに置かれた顕微鏡では、さまざまなプレパラートを鑑賞することができる。ここでは、プレパレートに置かれたマテリアルが、もともとどういった素材なのかを答え合わせをすることも可能だ。その中には、あなたが日常において触れているものもある。

この小さな部屋でミクロな世界に触れ、あなたの思考や感覚にどんな変化があっただろうか。この部屋を後にするときには、第六感が冴え渡り、見えないものの気配を感じるような感覚をもつ人もいるかもしれない。

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