植物の知恵をインストール。今回はエアプランツから「常識破りの力」を学びます。
俗称、エアプランツとして知られるチランジア。岩や木などに着生して生きられるように進化した常識破りの植物です。植物が必要とする土との繋がり、つまり根っこを手放し、水や養分は葉っぱから吸収しています。体の構造まで作り変えるという、 固定概念に縛られない軽やかさをもっています。
チランジアは鑑賞植物としても人気が高いですが、中でも知られているのが長く垂れ下がるウスネオイデス。 見た目からして軽やかですね。どこでも生きられるという意味でノマド的、そして持ち物を減らしたミニマリストでもあります。ミニマムな植物ですが、葉の表面にはびっしりと銀色の細い毛のような構造を持っており、水をキャッチしたり、紫外線を跳ね返したりできます。とても機能的です。
植物は身の回りの競争を減らすため、種をできるだけ、遠くまで広げようとします。エアプランツは進化の中で、より軽く、より高く、より遠くに、自分たちを運ぶ術を探してきました。その進化に成功したウスネオイデス。その根底にあるのは、らしさに執着せず、常識を破っていく力。人間も同じで、こうあるべき、がなくなると、軽やかになれる。逆に執着しすぎると苦しみにつながってしまいます。
ここでは、チランジアから常識破りの力を学んでみましょう。
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常識破りを学ぶために効果的なのは、一度、全てを逆に見てみることです。これをやってみましょう。
まずは、立った状態で足を大きく開きます。つぎに体を徐々に前に倒していってください。頭の位置が、膝のあたりまで来たら、股の間から景色を覗いてみましょう。
どんな世界が見えますか? 逆さまですね。
天井が地面に。池は空みたいに。地面から生えている植物は、天からぶら下がっているように見えませんか?
思い込みから自由になるためには、普段とは異なる視点で景色を見てみることが効果的。そのために体ひとつでできることが、この股覗きです。
こうじゃなきゃいけない、ああしなきゃと、あなたを縛っている常識も一度逆さまに見てみてください。そしてその常識からどんどん外れてみてください。常識を外していくことが、執着しない軽やかさにもつながっていきます。
そのまま空中のチランジアも眺めてみましょう。景色が逆さまになる中で見えるチランジア、あなたにはどのように見えますか?
植物は、上下がはっきりしているものが多いですが、エアプランツは、そのまま見ても、逆さに見ても、同じように浮いているように見える。根っこをもたないという選択をしたから、上下の概念からはずれることができた植物ともいえますね。
夢や目標を持って、こうしないといけない、こうあるべき、が、これでもいい、こうあってもいい、という風に語尾が変わっていくと、あなたも軽やかに新しいことを生み出せるかもしれませんね。