ペリーが黒船来航していたころ、日本に開国を迫っていたのはアメリカだけではなかった。イギリスからはオールコックが来日して、開国後は外国人としてはじめて富士山を登頂。富士山の雪で冷やしたシャンパンで乾杯したという。
問題は、その帰り道。愛犬のトビーと一緒に熱海に立ち寄ったところ、噴き上げを見せる大湯間欠泉にトビーのテンションも上がってしまったのか、熱湯を浴びて死んでしまった。愛犬の死にショックを受けるオールコック。しかし、そのとき熱海の村人たちは人間と同じようにトビーを手厚く埋葬した。その姿に感銘を受けたオールコックはのちにこのような言葉を残した。
「日本の政府と人民の尊敬を得るためには、何ら武力を示す必要はないのだ」
日本に対して好意的な言葉を数多く残したオールコックであるが、それは熱海での出来事があったからではないかと囁かれている。