ここは「桃山」というエリア。古くから文化人が集まる場所で、質の高い美術品が集まる場所だった。この建物は企業の保養所であったが、キュレーションホテル「桃山雅苑」として再構築。その建物に描かれているのは PROJECT ATAMI の作品。荘厳で堅苦しくもある桃山の雰囲気を中和するようなPOPなアートができあがった。

作家が提案したラフを見て、その反応は世代でわかれた。「ほんとにこれで行くの?」と考える世代と「いいじゃん!」と考える世代。実際に作家はほとんど下書きもなく描きはじめた。それでもバランスはパーフェクト。ラフとほとんど変わらない線が描かれていく。作家の中にはあらかじめ描いた下絵をプロジェクターで壁に映しながら描く人もいるが、この作者は即興で描きあげた。もともと画力があることはもちろん、アートを勉強するというよりストリートで描いて身体で覚えてきた人。オーナーが描いている様子を撮影しようと、建物の上から顔を出すと、ストリート時代を思い出して怒られるんじゃないかと身構えてしまったという。

結局、わずか2日で完成。次の日に見に行ったらもう描き終わってて驚いたという。ストリート育ちゆえに、ゆるい線が大きくなっても間違わない。ゆるい線じゃなくて完成された線だったのだ。

気になるのは赤い「L」のような何か。それは椅子ではないかとスタッフは話す。「ラフの絵では立ってる状態だったんですが、描いている途中で座っている絵に変えたいといわれて」。桃山雅苑はキュレーションホテル。ホテルは家具があって空間が完成する。その中でも特徴的な桃山雅苑の椅子にインスパイアされたかもしれない。

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