ALIVE Ⅲ(2018年)
ここからは、「ALIVE」シリーズの第3章として、紛争後に祖国を離れ、ニュージーランドで暮らす人に焦点を当てて作られた作品を紹介します。

メン・リーさん
1951年、バッタンバン生まれ/ニュージーランド、サウスオークランド在住

クメール・ルージュ政権以前の1971年、メン・リーはプノンペンにある大学で文学、人文科学、医学を学んでいた。クメール・ルージュの台頭で彼は勉学を中断することになり、その政権下で他の者たちと同様に水田などで働いた。

彼の両親と妹は過労と飢えから命を落とし、人々はまるで動物や奴隷のように生きていたという印象を彼は持っていた。

1979年に政権が終焉を迎えた時、メン・リーは07収容所へ逃げ、そこでコンポンチャム州から逃げてきた妻とその家族に会った。そして一緒にカオイダン収容所へと移った。1980年に彼と妻はニュージーランドへの再定住を許可され、収容所で彼は小遣い稼ぎのために難民の子どもたちに英語とフランス語を教えた。

収容所を離れることになった時、彼は書類を無くさないようにこのカバンを買った。収容所を去る時に故郷から遠く離れてしまうということは認識しており、いつ戻ってくることができるかもわからなかった。カンボジアの思い出のためにこの木製の牛車とアプサラを買った。どちらも生き残った難民が手作りしたものである。

2016年に彼のカバンは盗まれたが、数日後に見つかり警察から戻ってきた。

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