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東福寺
苔庭と紅葉。東福寺の美を作った4人の男のエピソードとは?
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苔庭と紅葉。東福寺の美を作った4人の男のエピソードとは?
千早ぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは
これは在原業平が詠った和歌で、古今和歌集に収められたもの。川に紅葉が散り、水を真っ赤に染める様子に驚く心情を表現したものだ。春の桜、夏の新緑、秋の紅葉や冬の雪景色。日本の自然は四季折々に様々な表情を見せる。日本人は海外から情緒が豊かで繊細な国民性だと言われているが、それは刻々と移り変わる季節の変化によって養われたものではないだろうか。
紅葉の名所として知られる東福寺は11月中旬から12月初旬にかけ、紅葉で真っ赤に染め上げられる。日本の秋を楽しむならばここは外せない場所だろう。また、東福寺には昭和に活躍した作庭師、重森三玲(しげもりみれい)が手がけた庭があり、景観に関して京都では指折りの寺だと言える。
ガイド作成のために住職にお話を聞くと、これらの優れた景観ができあがる背景には、幾人もの人々の物語があったという。それはどのように作られたものなのだろうか?東福寺の景観を語るにあたり、4人の男の存在は欠かせない。九條道家(くじょうみちいえ)、聖一国師(しょういちこくし)、明兆(みんちょう)、そして重森三玲だ。まずは東福寺が創建された時代までさかのぼり、その歴史を紐解いてみよう。
2018年11月30日より、紅葉の名所としても知られている東福寺と提携した公式オーディオガイドをリリースしました。ここ東福寺は紅葉以上に、永遠のモダンを追求した重森三玲が手がけたお庭も有名で、景観に関して京都では指折りの寺だと言えます。
お話を聞くと、これらの優れた景観ができあがる背景には、幾人もの人々の物語がありました。どのように絶景が作られたのか?東福寺の景観を語るにあたり、4人の男の存在は欠かせません。九條道家、聖一国師、明兆、そして重森三玲。このガイドでは、東福寺の歴史を紐解きながら4人の男の物語に迫ります。音声に加え、美しい写真や文字であなたのスマホからお楽しみください。
今回のガイドを制作した鈴木です。
20代前半の頃は「紅葉なんて面白くもなんともない」と思っていましたが、三十路を過ぎてから赤く色づいた葉を見るたびに染み入るものを感じるようになりました。四季折々に変化する景色と温度。それに合わせて人々も行動を変える。四季は、日本人特有の繊細さや感受性を育む素地になっていると思います。日本で「紅葉の寺」といえば、多くの人が挙げるのが東福寺。シーズン中に境内に入れば、見渡す限り真っ赤な景色が広がり、思わず息を飲み、心奪われてしまいます。そんな赤の魔力がこのお寺には確かに存在します。
実はこの景色、たった4人の男が発端となって形作られたと言います。
このガイドはその男たちのエピソードを掘り下げてみました。写真家、本間寛が撮影した紅葉とともに、東福寺の物語を楽しんでください。
ON THE TRIPライター・鈴木雅矩
ON THE TRIP. ぼくたちの旅は続く。