明治時代に銀行として建てられた赤煉瓦館。煉瓦造りの壁に瓦の屋根という、和洋折衷の様式が特徴です。建物を横から見ると、黒っぽい煉瓦が混じっているのがわかるでしょうか。当時は、一枚一枚、紙に包まれて運ばれてくるほど貴重だった煉瓦。その全てを輸入に頼ることが難しかったのか、はたまた地元の意地か。黒い煉瓦は大洲の職人がつくったものです。それを物語る証拠があります。中庭を抜け、トイレの前。そこに小さな手の跡が残るレンガがあるのです。煉瓦職人の工房に忍び込んだ子供が、まだ乾いていない煉瓦に触れてしまったのでしょうか。
あなたはこの可愛らしい痕跡から、どんな物語を想像するでしょうか。

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