肱川を挟んで、ここから大洲城が見えます。両脇にある2棟の櫓(やぐら)は創建当時のもので、真ん中の天守閣は市民の強い想いにより2004年に復元されたものです。江戸時代の模型が奇跡的に見つかったことから、通常では困難な「ほぼ忠実な再現」が可能とわかり、住民は奮起しました。各世帯1万円、中には一人で1億3,600万円もの出資をしたご婦人もいて、5億円を超える寄付が集まりました。お金だけではありません。木材も寄付によって、できるだけ地元のものを調達しました。
ここで復元あるある、本当に「言われないとわからない宝物」をご紹介しましょう。天守閣の4階、天井に近い梁の上に小さな木彫りのネズミが隠されています。背伸びをしても見える位置にはありません。城を再建した大工さんが記念にと、こっそり忍ばせたものだそうです。「ネズミのいる船は沈まない」という言い伝えから縁起を担いだのか、はたまた干支を揃えようとしたという説も。真相は、大工さんだけの秘密です。


Next Contents

Select language