交わる天の神と地上の神

鳥居は、神々の世界と人間の世界の境界をあらわすという。鮮やかな朱色には魔除けの力があり、神社の内側に汚れたものが入るのを防ぐ、結界の役割も果たしているそうだ。

霧島神宮には、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)とその子孫が祀(まつ)られている。ここでは、その神々について話そう。

地上に降りた瓊瓊杵尊は、山の神様の娘と夫婦になった。そして産まれた子は、海の神様の娘と夫婦になった。このようにして、瓊瓊杵尊の曾孫(ひまご)にあたる神様が、奈良へ旅立ち、日本の最初の天皇になったとされる。

つまり、天の世界の神様が地上の山や海の神様の霊力を授かり、その血を受け継いだ末に、日本の初代天皇である神武天皇(じんむてんのう)が誕生したということらしい。そして、令和時代の天皇は、初代の神武天皇から数えて126代目にあたるとされている。

もちろん、これは神話の物語である。しかし、そのような神話で語られる時代の話として、日本の歴史はここ霧島からはじまったのかもしれない、と想像してみてはどうだろうか。



写真1枚目:三の鳥居
写真2枚目:鳥居の近くにある「さざれ石」
写真3枚目:本殿への参道

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