駅からここまで歩いてきた道のりは、かつて海だった。このザビエル公園に示された海岸線より内陸が、当時の堺の街である。階段状の護岸を昇り、周りを見渡してほしい。高低差があるのがわかるだろうか。

南蛮船が日本にもたらしたものは、器だけではない。キリスト教もだ。宣教師・フランシスコ・ザビエルは、布教を続ける中で堺に立ち寄り、この地にあった商人の屋敷に滞在した。商人はキリスト教の洗礼を受け、瓦葺の建物を聖堂にした。そこで日本で初めてクリスマスが行われたという説もある。

キリスト教のミサでは、同じ杯のぶどう酒を回し飲み、飲むたびに口を付けた部分を布で拭うという儀式があった。実はこの儀式、茶道に通ずるところがある。自分が飲んだ茶器を服紗で拭い、隣へと渡す。茶道も元をたどれば、文化や宗教が混ざりあったミクスチャー文化。私たちの想像を遥かに超える、自由でロックなカルチャーなのかもしれない。

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