松本峠の石畳道は300年ほど前の江戸時代の石畳と150年ほど前の明治時代初めの石畳の両方が見られます。

登り口から峠に向かうと左側に川が流れていますので、石畳道の断面がよく見えてわかります。他の峠道では石畳の両側が土に覆われていますので古道の表面しかわかりませんが、松本峠の石畳は数メートルの厚みで石が積まれて敷かれており、石積みの構造がよくわかります。

この石積の方法を野面乱層(のづららんそう)積みといって、石垣が何百年も崩れずに残る一番強い積み方です。石畳に使われる石材は周囲の山から切りだしています。

熊野はたくさんの雨が降る地域なので、このように手抜きなく数メートルの厚みで造られた石積みでないと石畳が維持できません。雨が降っても雨水は石の間を通過して谷に流れますので石垣が崩れることはありません。

Next Contents

Select language