気持ちの良い音が聞こえてくる。
この音は、一体何の音だろう。

これは竹を割る音だ。
この工房では国指定の伝統的工芸品の「駿河竹千筋細工」を体験することができる。

「鳥の声を聴く」「虫の音を聞く」
昔の人々は、そんな風習を大切にしてきた。

戦乱の時代が終わり、平和な世の中となった江戸時代初期、大名や殿様が飼う大切な虫や鳥を傷めないために、この静岡の地で生み出された技法が丸みを帯びた竹ひごを差し込む「駿河竹千筋細工」だ。

時の将軍・徳川家康公は大の虫好きとして知られていた。家康公は鈴虫などを虫籠に入れては、その虫の音を楽しんだという。

この工房では、その「駿河竹千筋細工」の職人が作成したキットを使うことで、手軽に伝統工芸の世界を体験し、美しい作品を作ることができる。

竹ひごを一つ一つ丁寧に穴へ差し込み組み上げていくと、滑らかな仕上がりを感じることができるだろう。

駿河竹千筋細工の良さは作るだけでは終わらない。作った作品を「育てる」のが本当の楽しみだ。ぜひ、皆さんもその経年変化の面白さを体験してほしい。

Next Contents

Select language