ひっそり佇むのは「千手観音堂」だ。

腰をかがめると、扉からお堂の中を覗くことができる。ほの暗いそれぞれのお堂の奥には、千手観音像と薬師如来像が祀られている。

この千手観音像は、もともとはこの泉ヶ谷地区のものではない。約800年(ほど)前に別の地域で見つかり祀られていた千手観音像だが、旅人の夢枕で「泉ヶ谷に入れてくれ」と頼み込まれたという逸話をきっかけに、泉ヶ谷へ。

一度は元の地域に戻ったが、その期間に様々な災いが起こってしまう。両地域で話し合いの末、再び泉ヶ谷の地に移されることになった。すると、不思議と、平穏な日々に戻った。それが約400年前の話。


現在の場所へと落ち着いて、さらに400年。千手観音像はこの泉ヶ谷の地域を見守り続けてきた。

今後も大切にしていきたい地域の宝である。


Next Contents

Select language