ロボット妖怪:「寝過ごしさん！？どうしちゃったんデスか！？」

寝過ごし:「僕こそが未来からきた妖怪だ。50年後、地球は滅亡してしまうんだ」

妖怪たち:「えええ！？なんだって！？」

ざわざわ

小石鬼:「でも誰がそんなことするの？」

寝過ごし:「ここにいる万博の妖怪たち、君たちだよ！今は前向きなことを言っているけど、やがて君たちは絶望して破壊に加担するんだ。」

小石鬼:「そ、そんな....」

寝過ごし「そしてもう一つわかったことがある。50年後の世界では俺が話した独り言が全て現実になった。妖怪たちの憎悪を煽って、気持ちを操作した元凶がいる！！！」


寝過ごし(耳元で小さな囁くような声で)「これを聞いてる君たち人間さ」

妖怪たち「な、なんだって！？」（男性女性両方とも、できたら二つの声をいただけたら嬉しいです。）


寝過ごし:「聞かれてしまってはもう後戻りはできない。だから今ここで、君たち妖怪も、ここにいる人間たちも消し去ることで、僕が未来を変えて見せる！」


ロボット妖怪:「それは奈落！」

寝過ごし:「ああ、そうさ。奈落は全てを飲み込む。みんな、ここで終わりだ！」

小石鬼:「そんなことはやめてくださいぃぃい！僕たち妖怪も、彼ら人間たちもそんなことは望んでいないはずですぅぅうう」

寝過ごし:「人間たちはこれまでだって妖怪が暮らす森を破壊してきたじゃないか！次は君たちを戦争に利用するに違いない。そうなってからでは遅い！」


蜚語蝶:「待ちなさい！本当にそれが君のしたいことか！？君のこころの声をよく聞くんじゃ！」


寝過ごしの心の声(本当は、破壊なんてしたくない。地球の崩壊を止めるためにここにきたのに)
寝過ごし:「うるさいうるさいうるさーい！！！僕は、未来を救うために、やらなければいけないんだ！！！」

奈落:「僕も、こんなふうに使ってほしくないよ」

寝過ごし:「な、奈落...」

奈落:「やっと、言えた。君のなんとかしたいという気持ちに共感してついてきたのだけど、もっと、人間たちとも、妖怪たちとも話そう。それからでも遅くないんじゃないかな」

寝過ごし:「そうか。僕は一人で突っ走ってしまっていたんだな。破壊しても憎しみの連鎖は止まらないのにな」

ロボット妖怪:「ふううう〜〜〜よかっタ。一時はどうなることかと思いまシタ」

蜚語蝶:「君は目覚まし時計の付喪神じゃろう？わたしたちにその気づきを教えてくれないかのう？人と妖怪の目を覚まさせる！それでこそ目覚まし時計！」

小石鬼「ふふふぅ私も微力だけど、あなたの危機感をみんなに伝えるお手伝いをせてもらうよぉぉぉお」

寝過ごし:「私に必要だったのは、全てを無しにしてしまうことではなく、言葉をつくし、一緒にみんなで話し合うことだったようだ」

ロボット妖怪「たった今状況を転送し、万博の運営にも事情を説明しまシタ。お咎めはなしでス。他の妖怪たちも協力して直談判してくれたようですヨ」

妖怪たち一同:「よかったぁ」

寝過ごし:「一緒にツアーを回ってくれた人間よ。君たちにも申し訳ないことをした。僕が言うのもなんだけど、この先、誰かの未来を奪うことで問題を解決することのないよう、一緒に協力してくれ」

ロボット妖怪:「ふ〜！！！一件落着！！！楽しんでいただけましたカナ？ハプニングもありましたが、見学会はこれニテ終了！この小豆島にはまだまだ妖怪たちがいますカラ、身体と心を休めてゆっくりお話ししていってください！」

蜚語蝶:「あ、そうそう、人間たち、どんな未来を作っていきたいのか、自分の心の声を丁寧に聞いてあげるんじゃぞ〜わしにも聞こえておるからの〜ホホホ」


ロボット妖怪:「だ、そうですヨ〜！またのお越しを、お待ちしておりマス〜！」