熱田神宮にまつわる長い歴史の真実は、この大木のみぞ知る。

そう言いたくもなる大楠は、しかし熱田神宮の古い絵図には記されていない。いつからこの場所にあったのか。謎が謎を呼ぶ大木には、よく見ると「卵」が捧げられている。それは、この大楠にヘビが住んでいるからだという。

もしかすると、ヤマタノオロチの末裔が草薙神剣の行く末を見守っているのかもしれない。というのも、草薙神剣の物語には後日談がある。熱田神宮に祀られた後も、伝説の剣にはさまざまな物語がつきまとうのである。

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668年、とあるお坊さんが草薙神剣を盗んで、朝鮮半島の新羅に向かって逃げようとしました。しかし、その途中で剣はひとりでに抜け出して熱田に戻ってきます。

お坊さんは再び剣を盗み出しましたが、今度は神風のような暴風雨に遭って難波に漂着。ついには草薙神剣を捨てて逃げようとしましたが、今度は剣が身から離れず、ついには自首して死刑になってしまいました。

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荒唐無稽な話であると思うかもしれない。

でも、この物語の裏にどんな真実が隠されているのか。なぜ、668年なのか。なぜ、新羅なのか。お坊さんとは何者で、どうやって盗み出したのか。自由に想像してみてほしい。

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