作者は佐渡でリサーチを進める中で、地域のお祭りに興味を持ちました。佐渡にはエンターテイメントとしてのお祭りではなく、昔ながらの神事としてのお祀りが残っています。有名なのは鬼太鼓で、太鼓の音とともに鬼が踊り、五穀豊穣を願います。

鬼太鼓は島中で行われており、さまざまな流派がありますが、一部の地域では、鬼とセットで獅子舞が登場します。この作品では、その獅子舞で使う布を、地域の人たちの着物を集め、地域の人たちと一緒に刺し子で縫い合わせて制作しました。

一枚一枚の着物には、それぞれの家の記憶が宿っています。それらをつなぎあわせて身にまとい、獅子舞という儀式を行うことには、どんな意味が見出せるのでしょう。生活とアートが分けられる以前の豊かな精神性や身体性に想いをめぐらせてみてください。

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