作者は、ある日、自宅の庭園の木と木の間に1匹の小さな蜘蛛が巣を張っていた姿にヒントを得たといいます。

障害を持つパラアーティストとしても活躍する作者は、技巧や流行などの影響を受けない独創的な絵画を描くアール・ブリュット=生の芸術といえるのかもしれません。作品が示す領域は何を表しているのか、思いをめぐらせてみましょう。

ちなみに佐渡の領域でいえば、佐渡にはかつて隣り合う集落同士で、漁業権をめぐる争いがありました。その結果、この岩からここまでは自分たちの集落の領域だと取り決めましたが、ある日、これを侵して漁をする者があらわれて喧嘩になり、死人が出るほどに発展したといいます。これは大昔の話ですが、人々の間にはさまざまな領域が巣くっていることでしょう。

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