日本人なら誰でも知っている演歌歌手、八代亜紀。お年寄りが多いこの島で「現代美術とは何か」を語るよりも、彼女の絵の存在そのものがその在り方を伝えてくれます。
八代亜紀の代表曲のひとつに「舟唄」という歌があります。「お酒はぬるめの燗がいい 肴はあぶったイカでいい」という歌詞ではじまるこの曲ですが、「あぶったイカ」はどこのイカなのか、すなわち舟唄の舞台はどこなのか。作詞は八代さんではありませんが、実際に彼女に佐渡のイカを食べ比べてもらい、「うん、これはもう佐渡のイカということにしましょう」と言ってもらった(言わせた?)そうです。
佐渡では昔からイカ釣りが盛んで、全国で使われているイカ釣りの道具のほとんどが佐渡で発明されたと言う人もいます。今でも毎年6月、7月の夜になると、明かりを灯したイカ釣り漁船が水平線に並び、佐渡の風物詩となっています。そんな佐渡の中でも、特にイカで有名なのが姫津漁港です。「この場所に絵を捧げましょう」と八代亜紀は姫津の風景を描き上げました。
さらに、八代亜紀は佐渡島の魚市場でライブも開催。その様子は宇川直宏が率いるDOMMUNEによってロードムービーにもなっています。