作家であり水族館の研究員でもあるイーサン・エステスは、翌年も作品を発表しました。今回も彼はゴミを拾い集める中で、ロープを見つけました。このロープと禅の言葉である「円相」が結びつき、新たな作品が誕生しました。
円相とは、一筆で描かれる円のことで、始まりや終わりのないつながりを表現します。この円は無限を象徴し、すべてが始まりであり終わりであるという悟りや心理、宇宙全体を表現しているとされています。また、「円窓」と書いて「己の心を映す窓」という意味もあります。
佐渡には世界中からゴミが漂着しますが、このロープは島で使われいる定置網の一部かもしれません。佐渡はさまざまな魚が捕れますが、冬のあいだは大陸からの強い北西風のために休業を余儀なくされます。しかし、両津港だけは風を避ける位置にあるため、年中無休で漁業が行われています。魚にとっても同じです。安全地帯である両津湾に逃げ込んできたブリを、この網で一網打尽にするのです。
あなたは、この作品からどんなつながりを見出せるでしょうか。