片野尾は、かつて鯨が寄りつくことで知られた地域です。鯨がやってくるのは、エサとなる豊かな魚群を追いかけてきた結果ですが、時には座礁してしまうこともありました。鯨はその巨大な体のため、一度、浜に打ち上げられると自力で海に戻ることができませんでした。そんなとき、かつての村の住民たちは喜んで駆けつけました。

住民たちは、鯨のすべてを無駄にせず利用しました。肉は食用として大切にされ、脂は照明や燃料などに使われました。鯨の到来は、まさに祭りのような出来事で、一頭で七浦を賑わすほどの経済的な恵みをもたらしました。その喜びの光景を想像してみてほしいと思います。

まるでアイヌ文化の熊のように。鯨は神様として敬われ、特別な存在でした。そのため、鯨の顎の骨は墓標の代わりとして立てられ、その巨大な骨は地域の象徴ともなっていました。

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