作者はこの集落に滞在しながら作品を制作しました。
最初は地域でボランティアを募り、流木を集めるつもりでしたが、なかなか人が集まりません。というのも、この集落は佐渡の中でも果てにあり、高齢化が進んだ限界集落です。過去に様々な芸術祭に参加してきた作者にとっても、これほどの限界集落ははじめてでした。そこで、流木の代わりに地域に生えていた竹を採り、集落の人たちと一緒に竹を折ったり曲げたりして、この作品をつくり上げました。
この集落はかつて竹細工で生計を立てていた時代もあったそうです。また、佐渡の金山が栄えていたころには、遠く離れた金山まで、燃料となる炭焼きや食料となる魚を運んでいました。とはいえ、基本は海で漁をし、田んぼを耕し、自然に寄り添った生活を続けています。そんな集落の人たちの想いに寄り添い、暮らしを表現したというこの作品。あなたはどんなメッセージを受け取るでしょうか。