江戸時代の京都にはどんな女性がいたのでしょう。
たとえば、和宮。孝明天皇の妹で、第14代将軍・徳川家茂に嫁いだ女性です。ペリー来航からの弱腰外交に幕府への批判が集まる中、幕府が政権を建て直すために頼りにしたのが天皇家であり、そのような背景の中で和宮との政略結婚が行われました。「惜しまじな君と民のためならば身は武蔵野の露と消ゆとも」と和宮は涙ながら江戸に向かったとされますが、嫁いだ将軍の徳川家茂は優しい人物で、仲睦まじい夫婦であったといいます。
ちなみに、華やかな衣装の女性たちが並ぶ中では異例の黒い着物を着た女性がいます。彼女は京都で有名な商人の妻。当時の京都には財を成した商人の妻が集まるパーティーがあり、その日に彼女がどんな衣装を着て現れるのか、注目の的でした。色鮮やかな衣装を身につける人が多い中で、彼女はひとり、黒を基調としたシックな装いで現れました。その斬新なスタイルに人々は驚き、京都のファッションリーダーとして称賛されたといいます。