道後温泉のてっぺんには白鷺の像があります。当初、この白鷺には予算がつかず、有志の寄付によって造られました。しかし、その白鷺は真鍮製で金色に輝いていたため、金色の鷺はいないとツッコミがはいり、白色に塗り直したといわれています。
そんな白鷺の下には赤いガラスで囲まれた太鼓楼があります。これも最初は許可が下りなかったのですが、火の見櫓にするからと言って、なんとか設置が許されました。そして、太鼓を鳴らして時刻を響き渡らせる場所としても使われました。
さまざまな反対や苦労があった道後温泉本館の建築。それをやり通したのが初代町長・伊佐庭如矢です。「小さな道後温泉に人を呼ぶには百年後も他所が真似できないものを作らなければ」そんな想いで、前代未聞の建築を莫大な予算をかけて完成させたのです。
本館の完成と同時に鉄道を開通させ、坊っちゃん団子のもとになるアイデアまで作ったという伊佐庭如矢の生き様は、今となっては先見の明があったと脱帽するほかありません。