駕籠立場のそばに町石があります。町石は登り道の1町ごとに置いて距離の目安としたものです。1町は今の距離では109メートル。今は三木峠までの間で35基残っています。

江戸時代の旅行案内には「登り50町、下り38町」と紹介されており、峠は50町の位置にあります。町石には町数と奉納者、奉納した年月が刻まれています。峠までは伊勢神宮領、下り道は熊野権現領でしたので、下り道には町石はありません。

町石は戦国時代に伊勢神宮領の人たちが寄進したものだからです。町石はすべて船形地蔵と呼ばれるもので右手に錫杖(しゃくじょう)、左手には宝珠(ほうじゅ)を持っています。駕籠立場にある町石は八鬼山で一番古い町石だといわれています。

町石の地蔵さん一つ一つの顔の表情を見ながら歩くと厳しい坂道も苦にはならないかもしれません。

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